25周年「地歩を固める」年に
佐賀いのちの電話は、1998年7月に設立されて以来、
25年に亘りこれまでにのベ35万件に上る電話対応をしてまいりました。
多くの方々のご支援のお陰で24時間年中無休の電話相談活動を続けることができました。
新型コロナウイルス感染症との闘いの中で、私たちいのちの電話が果たしていく役割が益々重要となってきました。
電話相談を継続し、「いのち」を大切にするという、人としての原点に関わり、自死される方の減少に力を尽くしてまいります。
今年度は、新型コロナウイルス感染症による社会構造が変化して先の見えない状況の中、
事業継続していく上で、相談活動の充実や財政基盤、広報活動の強化などが求められております。
重点活動への取り組み
(1)相談活動の充実
➀相談員の養成と研修
a.29期電話相談員養成講座の開講
b.相談員の継続研修 資質の向上をはかるため、認定後も継続して研修を行う。
・年1回のスーパービジョン ・毎月1回のグループ研修 ・スキルアップのためのフリー学習会
・一泊研修、・各種研修会に参加・相談員サポーター養成講座
②非通知電話受信拒否の検討 性的通話者、頻回通話者の対策として、
電話番号非通知電話の受信拒否の研究・調査を行う。
③「空きコマ」の解消
a.「深夜帯」の空きコマ解消へ相談員の協力を引き出す
b.ホームページの当番表閲覧の周知徹底
c.相談員の意見を聞きながら、当番に入りやすい仕組みや工夫を行う。
(2)電話相談員の交流・親睦
➀世話人会(電話相談員の情報交換等のために、世話人会を奇数月の第1土曜日に開催)
②「新年会」などを実施
③相談員ケア、リフレッシュ企画
(3)事業資金の確保
佐賀いのちの電話センターは、建物の経年劣化対策が必要な時期を迎えている。
資金確保をするために、下記の内容の充実を図る。
①財政の安定を図るため、広く寄附金を募る。
a.新年度早々に企業を中心に、寄附金募集案内を発送
b.寄附金、会費の増大を図るため、税額控除・制度の広報に努める
c.手づくり会・バザー・募金箱の設置等を積極的に行う。
(4)自死予防事業(厚生労働省)への協力
a.「自殺予防いのちの電話」毎日16時~21時、毎月10日24時間受信(午前8時より翌朝8時)
b. 公開講演会の開催
c.自死支援わかち合いのつどい
(5)広報活動強化
a.会報紙(年2回)・事業案内の発行
b.ホームページの充実
c.ポスター・パンフレット・カードの活用
d.講師派遣
e.他の相談機関との連携,地域ネットワークへの参加
(6)25周年記念事業の実施
記念講演会(7月22日)チャリティーコンサート(8月26日)
(7)ハラスメント規定の制定
ハラスメントを防止するため、遵守するべき事項や防止措置等を定め、個人として尊重され、
人権を阻害されることなく法人の活動に参画できるようにする。
令和4年度 佐賀いのちの電話 事業報告
Ⅰ事業の概要
事業の概要
佐賀いのちの電話は、1998年の設立以来24年を経過し、今年7月12日開局25周年を迎ます。
ボランティア相談員をはじめ、多くの企業、個人の方々に支えられてまいりました。
また佐賀県はじめ行政のご理解をいただき、相談活動を続けられてきたこともご報告いたします。
新型コロナ感染症は、2022年度も「第7波」「第8波」と2度にわたり感染が拡大し相談活動も少なからず影響を受けました。
相談員の健康・安全を第1に、感染対策に注意を払いながら、年中無休24時間の相談活動を維持することができました。
2022年中に佐賀の相談員が対応した受信総数は1万6412件。全国50センターのうち、上から5番目です。
うち全国自殺予防いのちの電話毎日フリー電話(16:00~21:00)は6番目、毎月10日のフリー電話が22番目に入りました。
「コロナ禍」にもめげず、コーラーさんの心の叫びに真摯に向き合ってきた佐賀の相談員の頑張りが、数字に表れたといえます。
その一方で「3密」防止のため、感染ピーク時には班研修や各委員会等を中止をせざるを得ませんでした。
新相談員の確保については、最初の公開講座の受講者確保に苦戦したものの、最終的には8人(転入・復帰各1含む)を育成し、まずまずでした。
さらに2年ぶりに相談員サポーター養成講座を開講することができました。
いのちの電話の活動は設立以来、時代に対応して活動して参りました。
コロナが収束に向かっているとはいえ、私たちを取り巻く環境は依然、先行き不透明の厳しいものがあります。
事業継続するうえで、新たな相談員養成や相談員の研修、財政基盤の強化が一層求められています。
Ⅱ 事業運営 1 役員会の開催状況
〇第1回理事会
期日
令和4年5月31日(火 )
書面決議
理事 8人(同意)
監事 2人(異議なし)
令和3年度資金収支計算書類及び事業報告
評議員会の招集事項
○第2回理事会
期日
令和5年2月22日(水)
書面決議
理事全 8人 (同意書)
監事 2人 (異議なし確認書)
評議員会の招集事項
〇第3回理事会
期日
令和5年3月14日(火)メートプラザ佐賀
理事 7人出席(1人欠席)
監事 1人出席(1人欠席)
令和5年度事業計画及び資金収支予算
令和4年度資金収支予算補正
○定時評議員会
期日
令和4年6月27日(月)メートプラザ佐賀
評議員 7人出席(3人欠席)津留監事 出席
令和3年度資金収支計算書類及び事業報告
社会福祉法人佐賀いのちの電話社会福祉充実計画
○第2回評議員会
期日
令和5年3月14日(火)メートプラザ佐賀
評議員 7人出席(3人 欠席)
令和5年度の事業計画及び資金収支予算
○監査会
期日
令和4年5月17、18日 事務局
○日本いのちの電話連盟 社員総会=中止
日本いのちの電話事務局長研修=7月2、3日(東京)
Ⅲ 相談電話事業
1電話相談活動の実施
○電話相談 年中無休・24時間体制
○相談電話 2台
○電話相談員 138人(令和5年3月末)
令和4年受信件数
16,412件 1日平均 44.9件
過去の受信
令和3年 18493件(50.6件)
令和2年 18,353件(50.3件)
<参考>
令和元年 16,374件(45件)
平成30年 16,788件(46件)
平成29年 19,037件(52件)
2「自殺予防・佐賀いのちの電話」の実施0952-34-4343
○自殺予防相談電話(24時間)0120-400-337
○佐賀県自殺予防夜間相談電話(毎日23:00~5:00)0120-783-556
○全国自殺予防いのちの電話(毎月10日8:00-11日8:00)0120-783-556
○新型コロナウイルス対策「毎日フリーダイヤル」(16:00~21:00)0952-34-4186
○自死遺族支援わかち合い「ハートの海」
3電話相談員の現況・養成等
(1)電話相談員数
令和5年3月 138人(休務含む)28期第3課程受講者 8人
➀令和4年3月末 139人(休務含む) 27期第3課程受講者 18人
➁令和3年3月末 139人(休務含む) 26期第3課程受講者 6人
③令和2年3月末 138人(休務含む) 25期第3課程受講者数 17人
④平成31年3月末 129人(休務含む) 24期第3課程受講者数 11人
⑤平成30年3月末 128人(休務含む) 23期第3課程受講者数 9人
(2)電話相談員の養成
①第1課程 第28期カウンセリング公開講座 11回
期間 5月~7月 13人
受講生 土曜班・水曜班
②電話相談員養成講座
期間 令和4年9月~翌年3月
第2課程 第28期養成講座
講義・演習 27回
受講生 土曜班・水曜班 受講者 10人
第3課程 27期生養成講座 グループSV 年12回 個人SV 2回
電話相談実習 月2回 受講者 18人
(3)電話相談員の継続研修・表彰
①班研修 毎月 実施(新型コロナウイルス感染予防のため、各班4~5回お休み)
②全体研修 8回
③認定・表彰 27期生認定者 5人
100回表彰 |
200回 |
300回 |
400回 |
500回 |
600回 |
700回 |
800回 |
900回 |
1000回 |
1100回 |
1200回 |
1300回 |
1400回 |
4人 |
6人 |
7人 |
2人 |
4人 |
4人 |
4人 |
1人 |
2人 |
1人 |
1人 |
1人 |
1人 |
1人 |
④全体研修会
◇チャイルドライン 研修会 5月21日 アバンセ
講師 平井 貴美子 さん チャイルドライン九州エリア担当理事
◇傾聴と対話 ロジャーズが目指した対応
第1回 9月13日 (佐賀市図書館)
第2回 11月13日(アバンセ研修室)
講師 本山 智敬 福岡大学人文学部准教授 本山 智敬 福岡大学人文学部准教授
◇自殺予防公開講演会 2月19日 アバンセ
講師 衛藤 暢明 福岡大学医学部精神医学教室
演題「自殺の危機への対応」
⑤相談員サポーター養成講座
1月~3月 さくら臨床教育研究所 4人受講
⑥いのちの電話相談員
第37回全国研修会三重大会=中止
第19回九州・沖縄相談員ワークショップ福岡大会 7月30日 佐賀センター 22人参加
Ⅲ委員会活動
(1)相談活動運営委員会 2回(5月12日、2月9日)
(2)研修委員会
①研修委員会 2回 *相談員認定、公開・養成講座、継続研修、相談員の募集等
➁相談員サポーター研修 毎月1回
(3)広報委員会 4回開催
①会報「ハートの海」59号・60号発行
②幸せの黄色いレシートキャンペーン、大型商業施設等での広報啓発活動=9月
(4)事業委員会 1回開催=バザー中止
(5)世話人会 隔月
Ⅳ委託・補助事業
(1)受託事業
佐賀県自殺予防夜間電話相談事業
毎日 23:00~5:00
佐賀市自殺対策普及啓発事業
パンフレット、市報広告、大型店キャンペーン等
(2)補助事業
佐賀県自殺対策緊急強化基金事業 1,400,000円
厚生労働省自殺対策補助事業(公開講演会、FD研修) 240,000円
(3)助成金 毎日新聞西部本社社会事業団 100,000円
共同募金会 150,000円
武田薬品IT助成 200,000円
(4)佐賀県ふるさと納税NPO支援
佐賀県に申請し、団体指定を受ける
寄付 44件 (前年度36件) 寄付額 1,445,400円(県の手数料10%を除く)
前年度 1,563,000円(県の手数料5%を除く)
返礼品・代理店手数料等 505,973円
Ⅴ自死遺族支援事業
(1)「ハートの海」の「自死遺族のつどい」開催
佐賀市・アバンセ
①毎月 第4土曜日 13時半~16時
②スタッフ自主研修会 隔月 16時~18時
(2)いのちの電話自死遺族支援実施センター合同研修会
①10月29、30日 ・仙台 佐賀センター 5人参加 |